パワーストーン や 天然石 を語る上で欠かせない存在 内包物 のお話、第五回です。
まずはこちらの ブレスレット をご覧下さい。
まるで石の中に樹木が閉じ込められたように見えますね。
これは デンドリチッククォーツ (デンドライト)と呼ばれる石です。
古代ギリシャでは永久に枯れない樹木を閉じ込めた不思議な石だと信じられていたようですが
実際は水に溶け込んだ 金属 イオン が鉱物内の割れ目に侵入してこのような模様を作っているのです。
主に 水晶 や アゲート 、 ジャスパー などにこの現象が見られ
良質なものは風景画のような模様を描く事があるそうです。
これもまた自然が生んだ芸術の一つですね。
続いてはこちら。
水晶 の中に赤い絵の具を溶かしたようなこちらの ブレスレット は フェルジナスクォーツ です。
鉄分を表す『ferruginous』と言う単語に由来する名前なのですが
水晶 の成長後のクラック部分に ゲーサイト や 水酸化鉄 が沈殿し
長い時間を経て ヘマタイト に相当するものに変化してこのようになるそうです。
上のデンドリチッククォーツと似たような成り立ちですが、見た目がまったく違って見えるところも面白いですね。
同じ ヘマタイト が関係するものでも、こういったものも存在します。
こちらは 内包物 からは少し離れますが 水晶 の表面に微細な ヘマタイト が付着して
酸化する事で 水晶 が色付いたように見える タンジェリン クォーツ と呼ばれるものです。
同じような成り立ちや同じ鉱物の影響でも全く異なるものに変わる。
そんな所にも、まだまだ石の世界は奥深いものだなと何度でも実感させられてしまいますね。